北は北海道から、南は長崎県まで、全国各地の水族館で見ることができるイワトビペンギン。
キリッとした表情がとてもかっこいいですが、動作はとっても愛くるしくてたまりませんよね♩
今回はそんなイワトビペンギンの特徴や生態についてまとめてみました。
実際のところはクールなのか、それともキュートなのか。イワトビペンギンの真の姿にとことん迫っていきましょう!
イワトビペンギンの特徴
写真だけで見ると、イワトビペンギンってなんだか怖そうなイメージがあるけど…。
実際のところはいかがなものなのでしょうか。まずはイワトビペンギンの特徴について見ていきましょう。
イワトビペンギンの基本情報|学名・英名・由来は?
- 学名:Eudyptes chrysocome(ユーディプテス クリコソーメ)
- 英名:Rockhopper Panguin
- 別和名:岩跳びペンギン、冠ペンギン
イワトビペンギンの学名に付いているユーディプテスは属性の名前で、「優れた潜水者」という意味を持ちます。
その名前からも想像できる通り、ユーディプテス属のペンギン達はみんな潜水能力が凄いんですよ♩
そしてクリコソーメは、「金色の羽根を持つ」という意味。つまりイワトビペンギンの顔に付いている羽根部分を指しています。
この学名だけでもイワトビペンギンの身体の特徴がよく表れていますね。
イワトビペンギンは学名だけではなく、英名や和名からもどんな特徴を持っているのか知ることができます。
上の動画をご覧頂くとよく分かるのですが、イワトビペンギンは“ヨチヨチ、ピョン!”と岩を跳ねながら移動する習性があるんです♩
ロックホッパーペンギンや岩跳びペンギンという名前は、そういったイワトビペンギンの可愛らしい姿から名付けられています。
また冠ペンギンの冠は、イワトビペンギンの頭の羽根が長く伸びて、冠のように見えることが由来しています。
イワトビペンギンの体長・体重・身体の特徴について
- 体長:40~58cm
- 体重:2.3~4.2kg
キリッとりりしい顔をしているイワトビペンギン。しかし、体長・体重は意外にも可愛らしいサイズであることをご存知でしょうか。
実はイワトビペンギンのサイズは人間に例えると、生まれたばかりの赤ちゃんぐらいの大きさなんです。
同じユーディプラス属のペンギンでも、マカロニペンギンやロイヤルペンギンなどに比べて体長・体重が大きくならないことから、属性の中で最も小型のペンギンと言われています。
そして見た目の特徴としては前述の通り、冠のような羽根が一番のポイント。
頭部にある黒い飾り羽根が逆立っているかどうかで、イワトビペンギンかどうか見分けることができます。
また、赤みがかったオレンジ色のくちばしに赤い目、足元がピンク色になっているのもイワトビペンギンを見分ける時のポイントとなります。
ただしイワトビペンギンのヒナは成鳥と違い、とさかがなかったり、くちばしや虹彩の色が黒かったりするため、大きくなるまでは見分けるのが難しいことも。
加えて、イワトビペンギンは3亜種(種類)で特徴が微妙に異なります。
大まかな特徴としては前述の通りですが、細かく分けるとそれぞれ以下の特徴があります。
ヒガシイワトビペンギン | 🐧イワトビペンギンの中でも体長が大きく太っている
🐧くちばしの付け根部分が薄いピンク色に見える |
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キタイワトビペンギン | 🐧とさかが長い
🐧のどの部分にある羽根が白と黒ではっきり分かれている |
ミナミイワトビペンギン | 🐧くちばしの付け根にある黒い皮膚部分が大きい
🐧フリッパー(羽根)の腹側に細かい黒点が見られる |
イワトビペンギンは喧嘩好きで攻撃的な性格
身体が小さなイワトビペンギンですが、喧嘩っ早さはペンギンの中でも上位を争うほど。
元々攻撃的な性格をしているためか、ペンギン同士での喧嘩はもちろん、時に人間にも危害を加えることがあります。
とくに縄張りに入ろうとする個体には躊躇なく噛みついているため注意が必要です。
イワトビペンギンの寿命は約20年
イワトビペンギンの寿命は他の種類のペンギンと変わらず、およそ20年程度と言われています。
人間の場合は大人のはじまりとも言えるぐらい年齢ですが、ペンギン界での20歳は大御所レベルの年齢なんですね。
イワトビペンギンの生態系
それでは次に、イワトビペンギンの生態系について見ていきましょう。
イワトビペンギンの生息地・繁殖地について
イワトビペンギンは3亜種で生息地が異なります。主な生息地は以下の通り。
- ヒガシイワトビペンギン:ケルゲレン諸島、アンティポーズ諸島、マリオン島、ハード島など
- キタイワトビペンギン:トリスタン・ダ・クーニャ島、ジョージ島、セント・ポール島、アムステルダム島
- ミナミイワトビペンギン:フォークランド諸島、アルゼンチン、チリ
それぞれ生息地が違うため、同じイワトビペンギンでも亜種が異なるとコミュニケーションがとれないのだそう。
繁殖地も生息地と同じようにバラバラで、インド洋や南大西洋、亜南極圏などにある島々で繁殖しているとの報告があります。
イワトビペンギンの繁殖・繁殖時期について
イワトビペンギンの繁殖期は10月~11月頃ですが、繁殖地の島々によってはもっと早いうちから営巣地がつくられます。
そして卵を産み、雄雌が交互に卵を抱えて温めます。
なお、卵は2~3個産み落とされますが、大抵は抱卵期に死んでしまうか、他の個体との争いによって巣から失われてしまうため、最終的には1個の卵からしか孵化しません。
抱卵期の間の交代は全部で3回。第1期は雄雌が1~2日ごとに交代、第2期は雌が約11日、第3期は雄が約14日間に渡って卵を温めます。
待ちに待った孵化が見られるのは、産卵から32~34日後。
産まれてきた雛は親鳥に24~26日間警護されたのち、クレイシュと呼ばれる共同保育所を形成して、そこで65~75日間を過ごします。
そして12月の半ば頃から2月下旬にかけて、ようやく巣立っていくのです。
イワトビペンギンの習性
最後に、イワトビペンギンの習性についてご紹介していきます。
育雛期の過ごし方
イワトビペンギンは孵化後、クレイシュを形成するまで雄が雛を見守り、雌が給餌します。
この期間、雌は毎日午後になると巣に戻ってきて雛に餌を与えるのですが、その間も雄は巣を離れないのだとか。
餌を食べることもなく子供を守り続けるパパ。非常に過酷な状況ですが、何て家族思いなのでしょう。
クレイシュが形成された後は、主に雌が給餌を担当し、雄は自身の体力を回復させるために海へと出ます。
なお、換羽は繁殖後に3~4週間かけて巣で行われます。
つがいのマッチング率が高い
イワトビペンギンは他の種類のペンギンに比べてつがいの絆が強く、2年連続で同じカップルになることが多いんです♩
その確率は何と50%を上回るのだとか!恋愛自由主義なペンギンが多い中、翌年も同じ相手と行動を共にするイワトビペンギンは案外ロマンチストなのかもしれませんね。
まとめ
喧嘩好きで攻撃的なイワトビペンギン。
しかし怖い部分がある一方で、ピョンピョンとジャンプして移動したり、同じ相手と恋をしたりと、可愛らしい一面も持ち併せていることがわかりましたね。
そんなどこか憎めないイワトビペンギンは、全国20ヶ所以上の水族館で見ることができます。
今回ご紹介した知識を踏まえ、ぜひ今度、改めてイワトビペンギンに会いに行ってみてくださいね♩
文:なべぴ
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